合同委員会について(経緯)

経緯

クリニカルパスは、医療の標準化やチーム医療の推進、医療の質向上に大きく貢献してきました。近年では電子カルテシステムへの実装が進み、多くの医療機関で日常診療を支える重要な基盤として活用されています。一方で、その内容や構造、運用方法は施設やベンダーごとに異なり、パスデータの共有や比較、多施設間での活用を困難にしていました。

また、医療情報の電子化が進展し、電子カルテデータやレセプトデータを活用した医療の質評価や臨床研究への期待が高まる中で、「診療プロセスそのもの」を標準化し、解析可能なデータとして扱う必要性が認識されるようになりました。しかし当時の電子クリニカルパスは、情報システムとしての標準仕様や共通データモデルが十分に整備されておらず、施設横断的な分析やベンチマーク、アウトカム評価を行うための基盤は存在していませんでした。

こうした課題に対応するため、日本クリニカルパス学会と日本医療情報学会は、臨床と情報の両面から検討を進める組織として、2015年に合同委員会を設置しました。クリニカルパスの専門家と医療情報学の専門家が協働し、クリニカルパスを単なる業務支援ツールとしてではなく、「標準化された診療プロセスデータ」として活用できる環境の整備に取り組むこととなりました。 合同委員会ではまず、アウトカム志向型クリニカルパスの概念整理を行うとともに、Outcome–Assessment–Task(OAT)モデルに基づく診療プロセスの構造化を検討しました。さらに、その基盤となる標準アウトカムマスター(BOM:Basic Outcome Master)の整備を進め、施設間で共通利用可能なアウトカム記述の標準化に取り組んできました。

これらの活動は、2018年度から開始されたAMED研究開発事業「ePath(電子クリニカルパス標準データモデルの開発と利活用)」へと発展しました。ePathプロジェクトでは、診療プロセスとアウトカムをデータとして標準的に表現するモデルの開発、施設やベンダーの垣根を越えたデータ共有基盤の構築、および診療プロセス解析の実証が進められました。その成果は、現在のePath成果物の規格化やパスプラットフォーム構想へと受け継がれています。

現在、合同委員会は、BOMの普及推進、ePath成果物の標準仕様としての整備、パスプラットフォームによる標準パスの共有と利活用促進などに取り組んでいます。

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