JAMI・JSCP合同委員会トップePath(ePath概要)
プロジェクト名:クリニカルパス標準データモデルの開発および利活用(略称:ePathプロジェクト)
研究期間:2018年10月1日から2021年3月31日
研究代表者:済生会熊本病院 副島秀久
現在、日本国内の病院の1/3以上に電子カルテシステムが導入されており、電子カルテを導入すれば日本全国の患者データの比較が容易にできるかと思われたが、電子カルテシステムベンダー間でデータ交換できるシステムは存在していないため、データの後利用は困難な状況にある。一方、クリニカルパス(以下、パス)は、入院診療計画書として保険収載もされており、広く電子カルテ上でも普及しているので、パスを病院間で共通化することにより、複数医療施設間での患者データを比較できる可能性があるが、ベンダー間でパスの項目、構造とも大きく異なっており、実際には比較が困難な状況にある。
<入院診療計画書>
入院時に医師、看護師およびその他の医療従事者が共同して患者の診療計画を作成し、患者に対し交付される文書。病名、主治医、症状、治療計画、手術内容および日程、推定される入院期間等についての記載が必要である。
保険点数上は、入院診療計画が策定され,説明が行われていない場合は,入院基本料等より減額となる。
<クリニカルパス>
「患者状態と診療行為の目標、および評価・記録を含む標準診療計画であり、標準からの偏位(ずれ)を分析することで医療の質を改善する手法」と定義される。「アウトカム志向型パス」は、アウトカムユニット(アウトカムーアセスメントータスク)を医療行為の最小単位と定め、この最小単位の組み合わせにより、診療プロセスを構築するものであり、日本クリニカルパス学会が提唱している。下図にアウトカムユニットと、その記録の例を示す。
アウトカムユニットの構造と記録の例

電子カルテシステムベンダーの間で、相互運用性のある標準クリニカルパスシステム(以下、標準パスシステム)を構築し、複数施設において診療プロセスをアウトカム項目中心に管理できるようにすると同時に、多施設から収集されるパスデータを蓄積して、日本クリニカルパス学会が開発した患者状態アウトカム用語集BOM(Basic Outcome Master)を統一用語として利用して、診療プロセス解析、アウトカム解析を可能とすることを目的とする。倫理指針に基づいたデータ解析を実施するとともに、次世代医療基盤法に基づいたデータ解析のための準備を行う。
<選定された8疾患>